震災、あのとき必要だったもの

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揺れの後、恐怖に追い討ちをかけるように突如降り出した大きなぼたん雪。
3月にしては、とても寒い一日でした。

夜になり真っ暗闇に浮かびあがった満天の星空。
かたわらに置いたらラジオが、
大学時代に遊んだ馴染みある海岸の名とともに、
海辺で200~300の遺体発見、と
淡々と伝えてきていました。

これは現実?こんなことってあるの?

聞くニュース、見るニュース、
そのどれもが想像すらしたことない被害を伝え続け
自然の力の大きさを、ただただ呆然と感じていました。

当時の状況

私が住んでいた地域
・震度6
・停電3日、断水1週間、プロパンガスは翌日に復旧
・原発事故による屋内退避(30㎞圏外)
・避難所は覗きもせず、汚屋敷だった自宅をひたすら片付け

夫(当時未婚)が住んでいた地域
・震度6
・停電3日、断水2週間、都市ガス不通1ヶ月
・津波により自宅近くまで水が迫る
・当日は避難所(学校の体育館)に行くも、人がごったがえす空間にただ座っているだけ。車の中で寝たほうがマシと帰宅

家についてはいずれもヒビが入る程度で、住めなくなることや浸水はありませんでした。なので、避難所に滞在することはなし。

数としてはそういう人のほうが圧倒的に多かったと思います。
しかし、ライフラインを絶たれた当時の生活はやはり不便でした。

あのとき役に立ったもの

電気関連

  • 石油ストーブ
    暖房 兼 調理器具として大活躍。コンセントにつなぐものは停電で使えない。まだ寒いこの時期、これが無かったらと思うとぞっとします。
  • 懐中電灯 1人1個
    一人がトイレなどに立ったとき残された人が真っ暗闇の中で身動き取れないと困ります。不意打ちで余震も来るので、最低でも家族の人数分だけ必要。
    できればLED化を。
  • ラジオ
    電気復旧前の貴重な情報源。一日中流していました。
  • 電池の予備
    懐中電灯とラジオの電池サイズを確認の上、備蓄を。お店では瞬く間に売り切れます。どのサイズも、まず買えない。
    エネループなどの充電池は、時々点検して充電を切らさないようにしています。
  • 携帯電話・スマホを充電できるもの
    まだ携帯電話でしたが、電話やメール、ニュースなど情報取得に欠かせませんでした。当時はノートPCに残っていたバッテリーから給電することができて助かりました。
    現在はスマホなのでモバイルバッテリーの充電を常に切らさないようにしています。
  • 湯たんぽ
    夜用。石油ストーブを切ると部屋の中も屋外なみに寒かったのです。余震が煩く眠れなくても、抱っこしてリラックス効果がありました。

水関連

絶たれると一番大変なのは、水だと思います。
飲み水以外はもちろん、トイレ、手洗い・体洗い、食事に関する部分など、衛生面でも問題が出てきてかなりストレスです。水関連だけは、準備しておきましょう。

  • 飲み水 1日2L×3日×人数分
    うちは地震直後だけは水が出ていたので、水道水をあわてて確保することができました。かなり幸運だった例です。現在は年に1回、ペットボトルで購入し保管しています。
  • 水を貯める容器
    給水車に水を取りに行くことを考えると、飲料水用のタンクがベスト。うちはなかったので、空のペットボトル、果実酒用の瓶など、大きめ容器を汲み置きに総動員でした。
  • 浴槽に残っていた水
    こちらもたまたま残っていたので幸運でした。トイレを流したり、手洗いでの洗濯などに使用。
  • バケツ
    浴槽の水をトイレへ運んだり、ストーブで沸かした湯をバケツにためて最小限の湯で洗髪しました。
    5日もすると頭皮が痒くて耐えられなかったです。こんなとき湯シャン派はいいかもね。
  • ラップ
    食事のお皿にかけて使い、水でお皿を洗わずにすむようにしました。
    途中でラップが無くなってアルミホイルも使いましたが、箸で穴が開きやすく、ラップの方が扱いやすかったです
  • アルミホイル
    こちらもフライパンを極力汚さないために使いました。
    ストーブ上での調理時に敷いたり、ホイル焼きにもできます。

浴槽の水が無かったら、どうしてただろう。
家のトイレが流せないので、避難所(徒歩10分)まで行って仮設トイレを使ってたかも。

汲み置きのなかった夫の家では、給水車に毎日2時間並んだり、復旧がやや早かった勤務先の水道から汲んで運んでと、大変な労力だったと語っていました。
トイレもなるべく外で済ませていたとのこと。

電気・水道・ガス、どれも止まると困るけど、一番は水が困ったと。

井戸水が出る友人の申し出に助けられた

断水中に『水に困ってたら、うちの実家に来い!井戸水だから好きなだけ分けたる!』と言ってくれた市内に住む同級生。

放射能問題がある屋外に長時間並ばずとも、行けば分けてもらえるという安心感たるや半端なかったです。飲み水が足りなくなったらお言葉に甘えるつもりでした。

結局、汲み置きで足りたけど、井戸水ってこんなときに強いんですね。近くに井戸水を使っているおうちがあれば、仲良くしておくといいかもしれません・・・(←広い意味での備え!?)

ガス関連

プロパンガスだったわたしは比較的復旧が早かったのです。地震翌日の夜には使っていました。

都市ガスだった夫のところは1ヶ月ほどの時間がかかりました。
復旧までの調理の火の主役は「石油ストーブ」。暖房でありながら、汁物や煮物を作ったり、お湯を沸かしたり。

こういう時の暖かい汁物って、本当に心底ホッとします。
ずっとピーンと張り続けている心が緩むんです。今思い出しても涙が出そう。みそ汁ひとつ、あるのと無いのとでは全然違います。

結婚した当初『暖房のうち1台は、電気を使わずに点火できる石油ストーブが欲しい』という夫の意見には激しく同意。

ストーブは今、私の部屋で普段使いしています。
灯油も、一年中20L一缶分は切らしません。

もし石油ストーブに代わるものだとしたら、調理用のカセットコンロでしょうか。
暖房が不要な時期ならば、お湯も沸かせて調理も出来るので、命の危険を感じることにはならないでしょう。

食料関連

実は、困りませんでした。なのであまり参考にならないかも。

まず家の中にある常温の食品を1箇所にあつめて総量を把握しました。
それだけで最低2週間は持つと判断し、無くなるまで買物に言ったり、炊き出しに並ばないと決めました。

そして、最初に手をつけたのは停電で止まった冷蔵庫にあった高級ステーキ肉。
石油ストーブで焼いて、懐中電灯の灯りのもとで食べていました。シュールだったわぁ。
しかし後から聞くと、そういう人は多かったと聞きます。

みな「冷蔵・冷凍庫にあるとっておきの食品」から真っ先に食べていたので、最初の3日くらいはわりと豪華だったと。

今でこそシンプルライフですが、当時はまだ食品もとてつもない量を持っていたため、結局、震災後3週間近くストックだけで生き延びました。

食事の内容としては、麺類、パスタ、レトルトカレー、缶詰など、普段から食べられるものが圧倒的に良かったです。

いわゆる非常用食品も少しあったので『今こそ非常事態!』と思って食べてみましたが、味もイマイチで満足感も足りず。

食べ慣れないものを食事とするのは、疲れた心身を余計疲弊させました。

りはどこもかしこも異常な光景、せめて食べ物だけでも普段に近づけたいものです。

今はローリングストックで普段の生活に取り込んだ備蓄にしています。
日数としては約3日分。

最悪、そのくらいの日数があれば炊き出しにありついたり、支援物資を入手出来る可能性が高いと思っています。

飲み水や食事に不安があると、並んででも確保することが最優先事項となり、とにかく疲れます。たとえシンプルライフでも、むやみやたらと減らしてはいけない部分だと思います。

地震の後片付け関連(多めにあると便利)

  • ゴミ袋
    割れた窓などの一時補修、壊れたもののゴミ入れ
  • ガムテープ
    壊れたものの一時補修、ゴミをまとめる(紐で結ぶより簡単手間無し)

震災後必要性を感じて買い足したもの

  • 手回し発電とソーラー充電ができる懐中電灯(ラジオ・携帯充電器 一体型)

こういうやつです。

懐中電灯の電池が足りませんでした。
手回しやソーラー充電できる懐中電灯が切実に欲しかったです。

電池なしで、ラジオなしで、携帯電話なしで何日過ごせた、というのは結果論。実際は復旧がいつになるかは分かりません。
手回しは大変だけど「この電池であとどれくらい持つだろう。今夜は真っ暗かも、どうしよう」という不安を和らげる意味でも1つは必要だ、と思って購入しました。

備えのポイント5つ、情報・水・食料・灯り・暖

もう二度とこないで欲しい災害。でも自然は時折、私たちの生活を揺さぶります。

できるのは、備えておくこと。

被災のしかたのパターンは色々あるので、わたしの体験はほんの一例でしかありませんが、一番嫌だったのは、いつまでこの状況が続くのか分からない不安です。

だからお店が空いたとの情報があれば人が殺到し、要るんだか要らないんだかわからないけど棚にあるものを取り合えず買ってくる、みたいな人が沢山いたのです。

情報・水・食料・灯り・暖房 は数日分ある。うん、生きられる。

そう思うための備蓄です。

わたしはあのときの体験から、今もこの5つを重要視して備えています。

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